りょうすけ

友情ある説得のりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

友情ある説得(1956年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「友情ある説得」

第10回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したウィリアム・ワイラー監督の作品。南北戦争が激化する中で、信仰を貫くクエーカー教の一家を描いています。

暗い内容かと思いきや、家庭的な場面が多く、全体的には温かみのある内容で、映像も彩り豊かなので、TVドラマを観ているような気持ちになります。

特に驚いたのは、奥さんが司祭であること。通常のクリスチャンとは異なり、讃美歌を歌うことなく、音楽もない沈黙の中でただひたすら祈りを捧げるクエーカー教のシーンが非常に印象的でした。

信仰と家族、自分自身の決意との間で揺れる展開はよくある話ですが、息子が信仰を破って敵と戦う決意をしたとき、最初は受け入れられなかった母親が息子を抱きしめるシーンは非常に感動的でした。

普段なじみのない宗派についての映画で非常に興味深く、全体的に温かみのある作品なので、2時間半弱の長さもそれほど感じませんでした。広く知られている映画ではないかもしれませんが、良作だと思います。
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