あべきょ

ディパーテッドのあべきょのレビュー・感想・評価

ディパーテッド(2006年製作の映画)
4.0
キャストが豪華でマットデイモンとディカプリオを見ているだけでお腹一杯になる。香港映画のリメイクだそうで、そっちから入った人の評価はあまり高くないようだが、自分は楽しめた。終盤の方はちょっと難しかったのでもう一回チャレンジしたい。

(再視聴)
たくさん人が死ぬけど、やっぱりめちゃくちゃ面白い。?の連続だった複雑な終盤も大体理解できた。初見はコスティガン視点で観たが、サリヴァン視点でもストーリーを追っていくと分かりやすい。

キャストが各々の役にしっかりハマっていて違和感がないのがとても良い。ディカプリオは任務を遂行する中で精神的な危うさを抱えていくキャラクター、マットデイモンは多彩なキャラを演じられるタイプだけど、こういうジェイソン・ボーン的な冷徹な仕事人の役が一番しっくりくる。マーク・ウォールバーグは言動は荒いけど信念はちゃんとある上司で、ジャック・ニコルソンは狂気的なジジイといった感じで全部適役なので、各々の良さがフルに発揮されていて味わい深い。

2006年公開の本作は、物語構成と登場人物の心理面における複雑さから、2000年代「ポスト9.11映画」の一つとしても捉えることができる。コスティガンやサリヴァンがみせたようなアイデンティティの問題における迷走や苦悩は、まさに9.11とイラク戦争後のアメリカ社会そのものが抱えたものでもあった。
あべきょ

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