りょう

ディパーテッドのりょうのレビュー・感想・評価

ディパーテッド(2006年製作の映画)
3.0
 もう17年前になるのが不思議ですが、ようやく2回目を観ました。誰がリメイクしてもオリジナル版を超えられない傑作「インファナル・アフェア」ですが、マーティン・スコセッシ監督も例外ではありません。それがアカデミー賞の作品・監督・脚色賞だなんて、この映画賞の権威がガタ落ちした瞬間でした。アカデミー会員は、オリジナル版を観ていなかったのでしょう。リメイクでも「コーダ あいのうた」の作品・脚色賞はギリギリ納得できるレベルでしたが…。
 あいかわらずマーティン・スコセッシ監督の作品はBGMが過剰で、どんな効果を期待して使用している楽曲なのかわかりません。The Allman Brothers Bandの名曲“One Way Out”でGregg Allmanのアカペラパートがセリフとかぶって最悪の不協和音です。
 オリジナル版の3部作は、2作目と3作目がスピンオフのような印象でした。1作目が102分という短尺でも完璧な物語だったからです。この作品では、3部作の要素を1作にまとめようとしたのかもしれませんが、それが間延びしたイメージになり、物語の主軸を曖昧にしてしまっています。全体的に淡い色彩もオリジナル版と対照的でした。
 レオナルド・ディカプリオはそれなりでしたが、マット・デイモンはある意味でクズっぷりがハマっています。ジャック・ニコルソンが濃すぎて2人の印象が薄くなっているし、オリジナル版でアンソニー・ウォンが演じた警視がマーティン・シーンって、ほとんど定年退職して再雇用されたおじさんでした。
 かなり賛否ある作品だと思いますが、個人的には2回目を観てもダメなものはダメでした。
りょう

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