ツクヨミ

ファイト・クラブのツクヨミのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.9
内なる衝動と満たされない何か。
大手自動車メーカーでリコールの仕事をしている男は不眠を抱える毎日。そんな折にタイラー・ダーデンという謎の男に出会い…
デヴィッド・フィンチャー監督作品。午前十時の映画祭にて鑑賞、本作は90年代の"時計じかけのオレンジ"と呼ばれるほど若者の内なる衝動から起こす行動を描き切っていた。まず荒ぶるBGMと一体何を見せられているのかと思うばかりの前衛的なオープニングから頭をぶん殴られるような衝撃。そしてタイラー・ダーデンと出会い"ファイト・クラブ"を作っていく過程が情報過多的にごちゃごちゃしているのが楽しく軽快だった。
そして特筆すべきは後半の衝撃どんでん返しだろう。もう一度最初から鑑賞したくなるとんでも事実に度肝を抜かれた。
内容的には実にカルト的映画で、作中何度も挟まるファイト・クラブのルールだったり、腐った社会から逃れるようにケンカを繰り返す青年たちだったりと好きな人はとことんハマればハマるだろう作品だった。これがフィンチャー監督のカリスマ性なのだろうか…流石の印象。
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