黒髪のすーじー

悪人の黒髪のすーじーのネタバレレビュー・内容・結末

悪人(2010年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「そうやって人を笑っていればいいよ」
岡田将生への言葉。この言葉に、私はこの映画の答えのようなものを感じた。
人をバカにすることによって生まれた負の連鎖が、この映画の事件を生み出したと考えるからだ。世間では"被害者"側である人たちのパーソナリティの胸糞の悪さったらない。可愛い娘を奪われた柄本明は救われないが、満島ひかりのクソ女っぷりたるや。人をステータスで判断し、扱いを人によって変える人間の意地汚さが、非常に印象的である。そんな満島ひかりから、バカにされ、理不尽にぶつけられた結果妻夫木が起こした行動。それは、100:0で妻夫木が悪いのか?私たちに、"悪"の過程をどこまで尊重して"罪"を考えるべきなのかという問いかけをしているのではないだろうか。
岡田将生からバカにされたという悔しさを、満島ひかりが妻夫木にぶつける。その理由は単純、妻夫木のことを自分より下に見ているからだ。"人をバカにする"ことは人間の行為でなによりも愚かなことで、全ての悲劇に通ずる。そんな、ことをこの映画から私は学んだ気がする