tyapioka

悪人のtyapiokaのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
3.5
個人的には人ひとりの死で二時間引っ張るほど、人の死にエンタメ的価値を見出だせず、また、窒息させるという映像的に爆殺や刺殺よりもつまらない殺しに、殺人を扱う映画としての黒いワクワクは満たされなかったが、この殺しきれないような生々しさがこの作品の魅力だと思う。やり切れなさにも近い。悪人というタイトルが必ずしも主人公だけを指すわけではなく、また、どんな出来事も笑い話に変えてしまうような恵まれてるルックスや生まれを持つ男にも哀しみがあり、悪人というよりも多面性というようなニュアンスを伝えたい話に思えた。電話を切ってしまうシーンや人の腕を引っ張る強さ、配役などがかなりしっくりくる。殺される女の、こりゃ殺される感がすごい。車のところのタイトルも、カッと血が上ると変なことになるよな感。
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