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誰も知らないのmのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
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センサスの対象から外された人間の存在は、誰に目撃されることもなく消えていく。報道もされず、記録もされないこともしばしば。ただ地中に埋められて永遠の闇に葬られるのみ。
確かに存在した尊い命だが、声無きその存在を気に留める人などいない。誰も知らないのだ。少なくとも、状況を変えることのできる力のある者は。
生きさせる価値があり、守るに値するとされる者と、守るに値しないとされ、死ぬに任される者。誰/何がその基準を設け、「意義」を見出した者たち(のみ)を守っていく権利を有するのか。

「いつかモノレールに乗って、羽田空港で飛行機見ようね」
私はこの子どもたちの存在を忘れない。いや、忘れてはならないのだ。もう「知らない」からと目を逸らすことは許されない。
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