当時この映画でネグレクトの実態を知り、
衝撃を受けた。
子役の自然な動きやパーツのアップから
語らずとも心の機微を表現するのが素晴らしい。
街の景色や服装から自然に時の流れを理解させる手法も。
母親が帰らないまま季節が変わる重さを
サラッと描く。
足元のアップひとつにしても
革靴にソックスの女の子と
薄汚れた裸足にビーサンの明。
親に守られている子とそうでない子。
雑踏の中、近所の人たち、コンビニ。
何度も大人がすぐそばにいる場面が挿入される。
明らかに普通ではない子供たちに誰も関心を示さない。表では親切にするふりをしても誰も踏み込もうとしない。
幼くして一家の大黒柱にならざるを得ない長男、柳楽優弥の凛とした目力がものすごく意志を持っていて素晴らしい。