オレンヂ

気狂いピエロのオレンヂのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
5.0
新たにデジタルリマスターが作成され、それに伴い寺尾次郎氏による新訳版が(2016/7/23より)劇場公開されたので観てきた。

50年経って今尚斬新なカメラワークに色彩感覚。
赤と青、そして至る所で補色での対比。

本作品はゴダールの中では比較的観やすく、劇映画としてよくできている。

言葉で語る男と、感情で見つめる女。
でもどうだろう、実際には感情を追い求める男と、それを置き去りにする女のようにも見受けられる。
男は海と安らぎを求め車を捨てる。
女は先に進むことを望む。

詩的であり、色彩美であり、刹那的で美しい、はかなくて恐ろしい物語でもある。
こんな映画にはなかなか出会えるものじゃない。
オレンヂ

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