さすらい農場

気狂いピエロのさすらい農場のレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
5.0
追悼 ジャン・ポール・ベルモンド様

テレビ局を解雇されたフェルディナン・グリフォンは壊れかけのピエロ
心の曲がり角で元恋人に再会したら、こちらよりもっとハードな状況だった…
転がり落ちる逃亡者の顛末
台本のない即興ドラマなのでスリル満点
いきなりキャスト名で呼んだりカメラ目線になったりと[第四の壁]を超えるメタ展開は事故か作為か?

比喩と引用の玉手箱
セリフは全編ポエムのよう
マンガを読みながら詩を語る
奇妙な言動・人物・展開
何が起こるか予想不能(おそらく演ってる本人達も)

人生はおトボけ哲学
支離滅裂なようで理路整然
美しくて残酷で、悲劇的で喜劇的
色即是空で空即是色
無駄だらけのようで全てに意味がある
[どうにもならない]と言いながらも
何事も[成るように成る]ものだ

真面目に不真面目(引用 : 怪傑ゾロリ)くらいが良い

初めて鑑賞した時、ラストの絶望とおふざけの衝撃で青春を吹っ飛ばされたまま…
たくさんの大好きな映画を有難うございました。