ポンデリング山田

気狂いピエロのポンデリング山田のレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
4.8
初のジャン=ルック・ゴダール作品。前から気になってはいたが中々見れなかったがやっと鑑賞。いざ見てみると…本当に素晴らしかった。

まず設定が狂っている、互いに愛し合う男女が沢山の犯罪を犯し逃げ回るように旅をする。この男女が本当に水と油で全然違う思想や性格を持っている。唯一の共通点は「愛」であること。2人のやり取りを見ていると愛さえあれば他には何も要らないと思わせてくれる。

まるで詩を映画化した様な作品で色々と考えさせられる詩が次々と並べられ一つ一つ考えると本当に忙しい、そのおかげか108分があっという間に思えた。

そして映像やカメラワークが美しい、白紙に丁寧に色を塗った様な内装には思わず見とれてしまう。

以下のことから食い入るように作品を見ていた。しかしあるシーンで「お気楽娘だ」「だれ?」「観客に語りかけた」と登場人物が発言し我々の方に目を向ける。そこでようやく″今自分が見ていたのは映画だったんだ″と気付かされる。それくらいのめり込んでしまう。

この作品には考えさせられるシーンが幾つも散りばめられていて、正直ここでは語りきれない。ただ一つだけ言える事は何一つ偽りの無い愛の物語だったってこと。

1965年の映画とは思えない程クオリティが高くメッセージ性の強いなんとも言えない素晴らしい作品でした。