殺しはとてつもなく重い
クリント・イーストウッドによる西部劇だけどどこか西部劇らしくない、「人を殺す」ことの本質に迫る傑作。
物語の序盤は穏やかで優しそうな人物像のウィル。しかし、賞金の為に人殺しの仕事の旅に出てから数々の悩みと衝突し、最後には自分の殻をぶち破る。その描き方は悪質で非人道的ではあるのにどこか憎めない一面が現れ、観ている側も別の意味で「許されざる者」なのではないかとも感じました。
特に印象的なのはキッドが人を殺すシーン。あの時の彼の顔には恐怖心と自分も賞金稼ぎだという誉れ。でもその後にはとてつもない罪悪感。ここで放つキッドの台詞「もう誰も殺さない。俺はあんたとは違う」
この場面より生じるキッドの成長と未来への道。そしてもう取り消すことは出来ない過去を持つウィルの末路。記憶に残る名場面でした。
何気にイングリッシュ・ボブが地味に好きでした。