サド和尚

許されざる者のサド和尚のレビュー・感想・評価

許されざる者(1992年製作の映画)
4.6
血と硝煙に彩られたいくつもの荒野の伝説、その一翼を担ってきたひとりの男。その彼自身の手により、西部劇ならではの浪漫の数々をひとつ、またひとつと確実に、しかし丁寧に打ち砕いていく作品。
全編に漂う哀歌じみた空気は、伝説の終焉を静かに物語っているかの様です。

これは大長編「西部劇」の最終回。
体は老い、技は衰え、心はただの家庭人。かつての無名のストレンジャーの姿は既に過去の物。おそらくその後は、血だまりの上にのたうち回る事もなければ、高く吊るされる事もなく、軋んだベッドの上で平凡に生き絶えるだろう伝説の男、その最後の姿を描きます。

是非、世に放たれた沢山の西部劇とよくよく親しんだ後、それから観覧する事をお勧めいたします。
サド和尚

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