adeam

21グラムのadeamのレビュー・感想・評価

21グラム(2003年製作の映画)
2.0
キュアロン、デル・トロと共にメキシコ人監督として10年代の映画界を席巻することになるイニャリトゥが、まだ新進気鋭の若手であった頃に制作した心臓をめぐって交錯する人間ドラマ。
解体された時間軸と複数の視点で同時進行する複雑な構成が特徴で、一見何の関係もなさそうな人々のストーリーが徐々に結びついていく展開は良かったのですが、時間軸をここまでいじくる必要があったのかは疑問でした。
緻密に組み立てられたというよりはとっ散らかっている印象で、それぞれの感情の動きが伝わり辛くなってしまっている気がしました。
奪うのも与えるのも神の意思であるなら、人間の魂にどれだけの価値があるのかと訴えているような気はするのですが、メインの三人がそろって衝動的かつ情緒不安定なので心の動きに共感できず、それをひねくれた構成で目くらましされているようにすら感じてしまいました。
adeam

adeam