義民伝兵衛と蝉時雨

荒ぶる魂たちの義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

荒ぶる魂たち(2002年製作の映画)
4.3
三池崇史監督による「仁義なき戦い」のDNAをしっかりと受け継ぐ00年代の本格派ヤクザ映画。噂に違わぬ傑作だった。ヤクザ映画らしい巧妙で骨太なストーリー。そしてヤクザ映画の醍醐味の一つでもある役者陣の熱演!若き日の加藤雅也や竹中直人のギラギラ感。白竜、遠藤憲一、小沢仁志ら実力派Vシネ俳優達の凄み。三池監督のトチ狂った狂気w ミッキー・カーチスの品格。そして何と言ってもヤクザ映画のレジェンド、石橋蓮司、曽根晴美、そして松方弘樹のアクの強い本物の演技。文太さんの亡き息子菅原加織の姿も...涙 この役者陣の演技だけでも十分楽しめるのに、それに加えて本格派ヤクザ映画らしい巧妙で骨太なストーリーもしっかりと備わっているのだから70年代ヤクザ映画ファンの自分としても文句無しに楽しめた。そしてブラックユーモアや、和の情緒も感じ取れる趣きのある映像美など、自分がヤクザ映画に求めているモノがしっかりと揃っていた。独特なタイミングで出てくるテロップなど演出面も面白く、三池監督の良さを感じた。やはりヤクザ映画は最高に面白い。自分の中で周期的に来るヤクザ映画ブームがまた到来しそう。