コブラ会日本支部

ミルクのコブラ会日本支部のレビュー・感想・評価

ミルク(2008年製作の映画)
3.8
ゲイの権利を訴えた、実在の人物を基にした映画。
アメリカと云う国は多様性に溢れていると、そういう価値観を持っていると思っていたが、マイノリティの人々が差別や偏見に曝されている歴史が、そして今もその渦中にいる実情がある。
「ゲイの権利を認めれば、ストレートが迫害されるのか」と問うシーンは、世の中の差別や偏見の本質を突いている良いセリフだと思った。
そして、ゲイの教師が子供の教育に良くない。そんな法律が容認されそうになっていた現実に、まるでナチスじゃないかと恐怖した。
そんな状況の中、自分たちの命を脅かしかねない状況を変えようと行動を起こす事は並外れた事では無いけれど、その行動によって、声を挙げる事の出来る人や救われる人は大勢いると思うし、世の中の価値観やルールそのものを、より良い方向に変えようと立ち上がれるのは凄い事だと思う。
ポリコレだの何だの、文句をつける安易な人は多いけれど、その誤った考えが社会に蔓延っていると云う事実にこそ、目を向けるべきだ。