風来坊

サンクタムの風来坊のレビュー・感想・評価

サンクタム(2010年製作の映画)
4.0
パプアニューギニアのジャングルに大きく口を開く巨大洞窟。前人未到のこの洞窟の全貌を探るべく、ベテラン洞窟探検家フランクをリーダーに調査チームが巨大洞窟に挑むが…。

この映画は公開当時はは3Dでした。確かに美しく幻想的な自然の映像は3Dで観たらさぞ迫力のあるものだったと思います。
しかし、2Dでも映像の綺麗さはちゃんと出てますし、迫力もあるので2Dでも充分でした。

脚本を手掛けたアンドリュー・ワイトさんの実体験を元にした映画だそうですので、事故の悲惨さとか自然の猛威などはリアルに伝わってきます。
どんなに訓練を積んだプロでも初歩的なミスだったり、パニック起こしたりしてしまうのが恐ろしいところ。

しかし…精鋭な筈の調査団のメンバーが自己中多過ぎませんかね…。
女性がスーツ拒否したり…もっと団結してたら、最悪の事態は避けられたかもしれないと思うと残念です。
自然の力の恐ろしさというより、ほとんど内輪もめやミスによる悲劇でしたから。

私がケイビングとかダイビングに興味があれば、もっと物語に入り込めたと思います。
登山とかこういう危険なリスクを冒してまで、冒険する事に懐疑的なつまらない人間な私にはどうもそこが響かない…。

物語の中心は閉鎖空間の洞窟内で展開されるので、冒頭の迫力あるシーンに比べると後半は静かな洞窟の恐怖を中心に描いてる感じですね。
主役のフランクの息子を演じた俳優はザック・エフロンに似た感じのイケメン君なので女性ウケは間違いない。

あのジェームズ・キャメロンさんが製作総指揮をしたという事で、ちょっと期待し過ぎてしまった感があります。
「アバター」のカメラを改良したという幻想的な映像と、自然の驚異などリアル感は十分に出ていますが、映像に凝り過ぎた分に映画的な展開に少し欠けている感じです。

実体験を元にした映画なので思い切った脚色したくなかったのかと思います。あまり評価が良い作品ではありませんが、個人的には悪くはなかったと思います。
風来坊

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