Uえい

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのUえいのレビュー・感想・評価

3.5
TSUTAYAが近所にあった頃ずーっと貸出中だった因縁の作品。やっとアマプラに追加されたのでようやく見ることができた。

うる星やつらの設定の中で夢を巡る多重構造を描いた、噂に違わず傑作だった。原作は大まかな内容しか知らなかったが、問題なく楽しめた。

主人公あたるたちが通う友引高校では文化祭が翌日に迫っており、準備に追われていた。バタバタしている感じや、ゴジラ、ウルトラマンなどの着ぐるみが登場する感じがDAICON FILMのわちゃわちゃ感に似ていて懐かしい雰囲気だった。

そんな中、先生の温泉マークは体調を崩し、保健の先生サクラに、同じ日を繰り返しているかの様な違和感がある事を伝える。そして普段と異なる行動を試みるが、生徒たちが学校から帰宅しても学校に戻ってしまい堂々巡りになってしまった。

面堂のハリアーで上空から脱出を試みるが、友引町は円形にくり抜かれており、大きな亀の上に乗っかってしまっていた。そんな中でも、食料などは尽きず、あたるたちは日常を謳歌していた。そして、サクラと面堂は異変の原因を調査し、ある妖怪の仕業だと突き止めるのだった。

ループものかと思いきや、なんでもありな夢の世界だったという移行は意外と見たことが無かったかも。所々を抜き出すと、ハルヒのエンドレスエイトやドラえもんの夢幻三剣士など後の作品への影響が見てとれる。

著作権マークが付いた豚が夢の世界の友引町を破壊するが、漫画原作の作品を自由に改変したことへの自己批判や原作リスペクトに思えて良い要素だった。直近で原作改変問題が騒がれているが、ラムの想いなど原作の要素を壊さない範囲で、こんなにオリジナル要素や押井監督の趣味が満開に表現できるのかと驚愕した。
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