私の知ってる少年サンデー連載及びテレビアニメの『うる星やつら』は健全な学園ラブコメだったが、本作は別物。でも別物として片付けていいのだろうか？
今日見たテレビでデザイナーのコシノジュンコさんが「ものの作り手はジャンルに関係なく、作るものに魂を入れる」と仰った。
本作では文化祭の出し物の設定で教室を「第三帝国」という喫茶店で室内にたくさんカギ十字の意匠を設えて、戦車も登場した。
魂を入れた大切な作品に対して、このような制作をされて、原作者の高橋留美子先生の胸中はいかがだったか?
原作者と出版社が著作権譲渡契約で、二次的著作物の制作に無条件で原作者が同意したら、原作者の本意でない改変もやむを得ない。
しかし原作者がどれだけ著作権法を理解しているだろうか？大切な作品を不本意にいじられて悲しむ原作者の小説家や漫画家がいるのでは？
本作に限らず、法律家が介在して、二次的著作物の改悪を防ぐ内容の譲渡契約を締結できれば原作者の権利を守ることができるのに。
観客も子供の頃から二次的著作物としての映画に慣れ親しんでいると、原作の改変がひどすぎるものに対して、このような原作の改悪に感覚が麻痺してはいないか。作品が楽しかったり、感動を与えれば、何でも許されていいのか？など考えさせられました。
BS松竹東急 録画
