リボウスキ

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのリボウスキのレビュー・感想・評価

3.6
高橋留美子の同名人気マンガを原作に、1981年よりテレビアニメ化された作品の劇場版第2作。監督は今や日本が世界に誇るアニメーション監督・押井守。
非日常的でスピード感溢れるストーリー、幻想的な世界観、哲学的で深い台詞の数々、初期作品ながら押井守のイマジネーション溢れる作品。
“浦島太郎で村人全員が竜宮城に行って、全員で帰ってきたら時間は過ぎたことになるか?”という命題のもと展開するストーリーは従来のアニメ作品における時間軸の矛盾に一石を投じる挑戦的な内容であり、いかにも押井守らしい。
数々の国民的アニメや、ともすればうる星やつら自体に対するアンチテーゼともとれる内容で原作者の高橋留美子に否定的な評価を下されるのもしょうがないと思った。
あくまで押井のうる星やつらである、と主張する原作ファンも多く、ルパン3世でいうところの「カリオストロの城」であると感じた。
どちらもファンであるほど賛否の分かれる名作。
個人的には大いに楽しめた。
84年公開のアニメ映画だが古さを感じさせずむしろ斬新にすら思えた。
しかし、やはり「うる星やつら」の原作なりアニメシリーズに触れていてこそ真にのめり込める劇場作品だと感じた。
「らんま1/2」こそリアルタイムで楽しんでいたものの、「うる星やつら」への思い入れが皆無だったのが非常に悔やまれる。
自分の中で「ラピュタ」や「AKIRA」、「東京ゴッドファーザーズ」に比肩する作品とは思えなかったが、誰もが楽しめる名作アニメ映画だと思う。
あー、長いな。