ティンク

ブリットのティンクのレビュー・感想・評価

ブリット(1968年製作の映画)
4.0
いまさらシリーズ
【過去作レビュー】
『え、これが1960年代の作品!?』


確か小学生の頃に、テレビの映画劇場で観たのが最初のはず。
中学生になって本格映画少年になってから、ラジオの映画音楽番組(今晩は、関光夫です)で録音したブリットのサントラは、超カッコいいと思っていました。

ハードディスク整理に迫られ、WOWOWの録画をあらためて視聴。

何コレ。え、これ本当に1960年代の作品?
超スタイリッシュなんですけど。
オープニングのキャスト・スタッフロールの演出からして、センスありまくりです。

■撮影が素晴らしい!
固定カメラあり、滑らかなドリー撮影あり、迫力ある手持ち撮影や望遠撮影あり、渾身のクローズアップあり、縦横無尽なカメラワークが素晴らしいです。しかも(たぶん)全編セットなしのロケ撮影で! 庵野監督が好きそうなiPhoneで撮ったかのようなアングルが出てくるんですよ、1960年代に。
■編集が素晴らしい!
まぁ昔の映画なんで、ストーリーは、今なら一時間の刑事ドラマに十分収まるぐらいの内容なんですが、いやぁ編集のキレが素晴らしくて飽きさせない。無駄なカットもないし、この編集テンポは当時の人にとっては画期的だったのでは。今でも十分通用します。
■登場人物かっこいい!
主役のスティーブ・マックイーンがかっこよすぎます。ジャケットの中がワイシャツとネクタイじゃなくてもオシャレって、ここからなんじゃないですかね。上院議員の圧力に屈せずスティーブ・マックイーンを守る上司も超カッコいいです。
■音楽が最高にカッコいい!
かのラロ・シフリンが音楽担当ですよ。中学時代に聞きまくっていたサントラは、実はレコード用に編集されたもので本当のサントラ(映画内で流れるもの)とは違うというのも、だいぶ後になって知りました。
んで、劇中の音楽ですが、有名な坂を使ったカーチェイスシーンが始まるとともに音楽が全く流れないというタイトなつくり。エンジン音やブレーキ音しか流れません。

1960年代にこんな映画が撮られて公開されていたという事実にあらためて驚きました。

唯一納得できなかったのは、しがない警部補なのに、なんでジャクリーン・ビセットを恋人にできてるの?、でした。

【追記】
女の人が、ワイシャツだけ羽織っているのはいやらしいと教えてくれたのは、どうもタワーリングインフェルノよりこっちが先だったようです。
ティンク

ティンク