四谷シリーズ(の亜型)。
2本立ての映画を、映画館の最前列でハリセンボンが、後方で一般ののお客さんが観ている、というのが大枠。
5部構成になっている。
①映画の前にハリセンボンのかけ合い
②清水崇の短編
③2本立ての幕間にハリセンボンのかけ合い
④豊島圭介の短編
⑤映画の終了後のハリセンボンのかけ合い
好きな人には申し訳ないが、①と③と⑤は映画でやるのは勘弁してほしい。バラエティ番組やそれを収録したDVDと映画をくそ味噌にするべきでない。
②と④で比較すると④のほうがまし。化け物メイクがよくできていたし、一応カラーグレーディングを施して映画的に仕立ててある。
清水崇の②は四谷系。同じく亜型である白石晃士の『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!劇場版・序章【真説・四谷怪談 お岩の呪い】』(2014)と、神社から入るところなど、ほとんど同じ「フェイクドキュメンタリー」調。白石のは実はパクリなのか?悪ノリで作った、「てへっ」みたいな甘ったれた感じで、レベルもほぼ同じ。観終わるのが苦しかったが、短いのでなんとか。
撮影もビデオカメラで撮ったままで映画的ではない。わざわざ映画的フォーマットを外して、インターネットを埋め尽くしている馬鹿馬鹿しい動画と同じ見映えにしておいて、それでも自らを映画に関連づけようとするのは、いったいどうしたわけか。
本作には関係ないが、もう少し生産的なことを考えてみようか。モンテ・ヘルマンの『果てなき路』(2010)は本作や白石晃士の『戦慄怪奇ファイル〜』と手を切れているのだろうか。モンテ・ヘルマンは映画としての映画の枠組みに対して破壊的に振る舞いながら、本作のような動画に寄っていないであろうか。
本作はジャケ写だけは確かに魅力的である。
レンタルDVD。55円宅配GEO、20分の16。