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ジュラシック・パークのsiaのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
3.9
〝Life finds a way〟

2回目の鑑賞ですが内容をすっかり忘れていたので新鮮な気持ちで楽しめました。

映像には時代を感じますが、やはり不朽の魅力を持ったエンターテインメント作品です。
たくさんの恐竜たちが自然の中で暮らす光景の荘厳さや地響きと共に近付いてくる時の迫力は、現代でも十分にワクワクさせられます。
公開当時この映像を劇場で観た人たちはどれだけ興奮しただろうかと想像してしまいます。

ただ楽しい娯楽作品というだけでなく、生命倫理や技術進歩の是非を問う普遍的なテーマが主軸となっており、子どもから大人までどの世代にとっても見応えのある作品になっています。

しかし、この映画の一番の見どころは恐竜でも哲学的命題でもなく、物語を通じて見ることができる登場人物たちの変化や成長です。

機械音痴で子ども嫌いな主人公のアランは、新しいものに拒否反応を示しており、環境の変化を嫌う人物として紹介されます。
だから子どもも欲しくないし、仕事場のあるモンタナからも離れたがらない。ジュラシック・パークの急進的な経営方針にも懐疑的です。
一方で、いざ憧れの恐竜を前にすると少年のように舞い上がって目を輝かせたりもする、とても親しみの持てるキャラクターです。

そんなアランは子どもたちとの冒険の中で彼らと友情を育み、嫌いだった子どもに対する考えを改めるようになります。
アランと子どもたちが木の上で寄り添って夜を明かすシーンは個人的に一番好きな場面です。

この映画は、変化や進歩そのものを否定しているのではなく、アランという主人公を通じて、人間という生き物にも変化の必要性や進歩の可能性がある、という側面を描いているように感じました。

その他、一見軽そうな奴に見えるけど冷静で鋭い分析力を持った数学者のマルコムや自らの夢に取り憑かれたハモンド博士、職場で軽視されているシステムエンジニアのネドリーなど、どのキャラクターもユニークで面白いです。
子どもたちもそれぞれに個性や長所があり、それが物語の中でも活かされています。
どのキャラクターも、序盤のわずかな描写だけですぐに人となりが掴めるのが良かったです。

もちろん、恐竜たちも多彩な習性や特徴を持っており、脅威を感じさせる存在でした。
意外と残酷なシーンもあったりしたので、この映画小さい頃に観てたら結構怖かったんじゃないかな。

2作目以降は初見ですが少しずつ観ていきたいと思います。

しかし言うまでもないことだけどテーマ曲が本当に素晴らしいですよね。



2018/7/1 再鑑賞
sia

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