キミシマユウキ

ヒューゴの不思議な発明のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)
3.6
1930年代、時計台で隠れて暮らしていた孤児のヒューゴは事故で亡くなった父の残した謎のゼンマイ仕掛けの人形を直そうと必死になっていたが…


2011年制作
『ウルフオブウォールストリート』『タクシードライバー』のマーティンスコセッシによるファンタジードラマ映画。
監督の作品は基本見つけ次第視聴するファンなので鑑賞。

今作は映画の本題に触れる前に監督マーティンスコセッシの話を少ししよう。知っている人は知っている。知らない人は覚えてね☆な名監督なわけだが、自分が彼の映画とを好きな理由はギャング・マフィア映画の天才だからだ。その生々しい暴力描写や乱暴な言葉遣い、ロックな、BGM、作品中に満ちた負のエネルギーがたまらないわけだがもちろん子供向けではない。そんな監督が自分の愛する愛娘のために初めて”子供向けファンタジー”に挑戦したというのが今作なのだ。その話を知っているだけでもこの映画の温かみがよく伝わってくる。
そして今作のテーマは
”映画への愛”
自分はてっきり『ナルニア国物語』だとかの壮大な世界がヒューゴの発明によって現われる…的な物語だと思っていたのでその規模の小ささには驚いたが監督が娘に対して映画の素晴らしさを自信の映画を浸かって教えたかったのかと思うとまたいい話だ。
(※この後彼が作る『ウルフオブウォールストリート』はノンフィクション作品で映画史一番Fuckを使う回数が多いということは忘れておこう♪)
やっと映画の本筋へと戻すと大人も子供も楽しめる純粋なファンタジーとして洗練されていると思った。映画に対する愛を教えてくれるストーリーもよし、パリのお洒落な駅と温かみのある映像、劇中で流れる優しい音楽(ジャンルで言うとミュゼット)、誰も悪い奴いない登場人物…一つの駅で繰り広げられる物語という意味ではトムハンクス主演の『ターミナル』のような雰囲気とも似てるかもしれない。

キャストも味があっていい。
主人公の少年は観たことがなかったがヒロインはみんな大好き『キックアス』のクロエグレースモレッツたん。
この役よりはヒットガールの方がハマっているが、映画を生まれて初めて見たときの驚いた表情は可愛くて拉致したくなった。え?いや、ロリコンではないですよ僕は年上のお姉さんが(ry
脇役たちも有名どころが多く、ベンキングズレーやドゥークー伯しゃ…じゃなくて名優クリストファーリー、そしてちょい役で前髪ハゲ進行重度(ジュード)ロウが登場してる。

このアプリので評価は低く、製作費が莫大だった割りに興行収入も芳しくなかったらしいが個人的には嫌いじゃない作品だ。
劇中でも出てくる世界初の映画
『列車の到着』
についても少しだけ書いたのでそちらもぜひ見てもらいたい。
ただの珍しい見世物から物語を伝える媒体となった映画の移り変わりの流れを少しだけこの映画で勉強できるかもしれない。



ファンタジー映画好き、子供に見せる映画を探しているかた、そして優しくて暖かい映画が観たい方にはおススメの作品。