フワッティー

お早ようのフワッティーのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
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小津作品らしいローポジションと一点透視図法により統制された画角、ドラマ性に溢れた脚本。開き直りも噂好きも悪態も、すべて人情から生まれるもので、それら一切が美しい。

テンポという意味での「間」が、物語に一層の面白おかしさを与え、人間味を強調する。この作品に限らず、「間」のとり方というものが、どれだけ日本の芸術・芸能を発展させてきたかが伺える。

さて、この映画でちらと危惧されていたことは、現代でとうに起きている。便利さを追い求め、「一億総白痴化」を果たした今、人々は「お早よう」の無駄さも意味も忘れて了った。それを証するように、オズヤスのような映画人は滅んでいった。
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