オーウェン

戦争は終ったのオーウェンのレビュー・感想・評価

戦争は終った(1965年製作の映画)
4.5
不安と苦悩を顔に刻み続けた、この中年の男ディエゴ(イブ・モンタン)は、反フランコ派の闘士として、スペインからパリに移住して、25年間地下工作を続けてきた。

1965年4月20日、彼は突然、スペインのバルセロナに行くことになった。
それまでの3日間に絞って、地下工作者の行動と状況を、アラン・レネ監督は、情感を込めて描き出す。

それはヒリヒリするような緊張の連続だ。
ディエゴの一つ一つの仕草や、表情が細かく捉えられていて、いつしか、観ている私はディエゴと同じ体験をし始めるのだ。

政治と愛情の関係がわかりやすく描かれていて、ディエゴの男っぽさ、筋金入りの意志の強さに共感させつつ、その戦争はまだまだ続いていることを、強く印象づけている。

イブ・モンタンは、何気ない仕草や表情に、"男"を滲み出させて、実にうまい。
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