イワシ

シヴィリゼーションのイワシのレビュー・感想・評価

シヴィリゼーション(1916年製作の映画)
4.0
傑作だけど、凄く変な映画。戦争を始めた張本人である国王の霊体がキリストの魂に導かれて悲惨な戦場を案内されるシーンは『キートンの探偵学入門』を連想した。独房の壁に開いた穴がまるでスクリーンのように戦場の地獄絵図を映し出す。

まったく予想もしてなかったのだが、この映画は潜水艦映画でもある。良心的な指揮官と任務遂行に拘る副官との対立という定番の構図があるのだが、指揮官である伯爵の行動が狂気。突然拳銃を抜き、指示に従わない者を殺し、挙句に潜水艦を沈没させてしまう。良心的に発狂してた。

白馬がまるで愛犬のように地面に倒れて死んでいる騎兵を前脚の蹄で揺さ振ってるシーンはよく撮れたと思う(前フリのように子犬が子どもの死体にすがるように鼻でつつくシーンがあった)。ラストで羊飼いが腕に抱いた鳩を放すんだけど、画面外に飛んで行かずすぐ側の車輪の上にとまったのには笑った。
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