Niylah

ロード・オブ・ウォーのNiylahのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
3.9
大好きな『ガタカ』のアンドリュー・ニコル監督作品。

哀愁漂うニコラス・ケイジ演じるウクライナ人の武器商人ユーリー・オルロフ。イーサン・ホーク演じるインターポール。二人の駆け引きが皮肉めいたコメディみたいで独特の面白さがある。

アフリカ特有ののどか(に見える)赤茶色の土地と鮮やかな緑の草木。そしてそこに存在する場違いな大量の銃や兵器。

ブラウン・ブラウンと呼ばれるコカイン×ガンパウダーMix。戦闘前の少年に与えるもの。なんて世界なんだ。
戦争。武器。武器商人。必要悪か…。人って簡単にお金/賄賂で動くんだな。

『ガタカ』『ドローン・オブ・ウォー』そしてこの作品と鑑賞してきて、アンドリュー・ニコル監督の俯瞰して世界を見る目にいつもはっとさせられる。決して無くなることのない戦争や紛争、人間とすら思えないような残虐で自分勝手な人間の存在、発展しすぎたテクノロジーや進化しすぎた医療。そんな世の中を批判しつつ、だけど、どんなに悲観的/絶望的に見えたとしても、その中には当然心を持った人間も夢も希望も未来もあって、世界もまだすてたもんじゃないんだなって気持ちにさせてくれる。このろくでもない、すばらしき世界!(宇宙人)まさに。
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