ブルターニュ地方の小さな港町。酒場兼宿屋を経営するジョックが連れてきた情婦オデットを巡る男達の愛憎劇。
印象的なシーン
・ジョックは姪っ子と言うけど違う
・白いゲートルを子供が囃す
・せむしのミミは布巾を振り回す
・舞踏用ドレスとオルゴール
・浴槽を搬入するモリス「お代は…」
・ミミを尾行するオデット
・内々の祝いの席 伯爵のショック
・披露宴の陰での出来事
・ミミの幻想 舞踏会
ジャン・グレミヨンは「曳き舟」しか観てません。あちらも何かドロドロだったような記憶です。
オデットの図々しいのにげっそりしました。禿げ散らかしたジョックにおねだりする裏で、伯爵をも誘惑します。いい暮らしをするには誰と付き合うかという計算をしているようです。でも貧乏なモリスと付き合うのはないかなと思っていたので、ただ単に欲望に正直なだけかも知れません。
献身的に伯爵を慕うミミが哀れでした。
伯爵も分かっていながらオデットの誘惑に勝てなかったですね。
「いい人」と「伴侶にしたい人」は違うという事でしょうね。
「汚れるよりも死を」伯爵が決意する所にミミが来て放心状態の中、貴婦人となって伯爵とワルツを踊る幻想が良かったです。
先代の汚名そして自らも恥じる行為をしてしまい、お金も底を尽きてしまった。がらんどうの城もかつては光に溢れ貴婦人達との舞踏会もあったのでしょう。栄枯盛衰です。
結局モリスがどうなったのかは分かりませんでした。あの風が吹きすさぶ城の丘には色んな怨霊が出てきそうでした。