透明人間になれる新薬の開発に成功した科学者（佐藤輝昭）が、妻（志麻いづみ）との窮屈な結婚生活の鬱憤を晴らしていく。ピンク・レディーの流行時に製作された、日活ロマンポルノ。
とかく思春期の男子学生やモテない独身男性からの視点になりがちな題材を、倦怠期の既婚者視点にしているところが斬新。透明人間の徘徊描写やアナログシンセによるチープな効果音など、随所で笑いを誘われる。
イタズラされる女優のエアセックス演技もまた素晴らしく、透明人間相手に体位を変えたときの合成映像、体が接触したときの皮膚表面の動きなど、低予算ながら特撮に気合が入っている（円谷プロのパロディのようにも見えるが、確信はない）。
「くだらないことを真剣にやること」の大切さが、ひしひしと伝わってくる作品。インサートするときの音が「スポッ！」になっているが、それは入れるときではなく、抜くときの音ではないかと。
