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ジョゼと虎と魚たちのすごいものレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
4.6
ジョゼと虎と魚たちにみるゆとり


また今泉力哉監督に騙されて映画を観たんだぜ、許さねーぞTSUTAYAプレミアム。コメンタリーもゆったり観れてしまう。

騙されたシリーズの頭、キャロルは大黒星だったけどこれは大きめの当たりだ。足が不自由な女性と妻夫木聡の大恋愛。

ぼくはビッグマンとモンスターを割って呑んでいて、モロに喰らった。


ヒロインの池脇千鶴さんは脚が不自由だ。

妻夫木聡さんは嵐の櫻井さんと友達らしくてテレビでどっかにプライベートで旅行していた。その時はベラベラくっちゃべっていて意外な印象を受けた。その妻夫木くんが無言で飯を美味そうに食うんだ。ぬか漬けと味噌汁を。言葉に出さずに表情だけで美味しさを表して。ぼくが思う妻夫木聡はB級の、主戦に出ない映画にバンバン出てる、お笑い界でいうアルコアンドピースだった。伝わる人だけ伝わればいい。

かくして胃袋を掴まれた妻夫木聡は脚が弱っている、池脇千鶴さんと仲を縮めていく。

関西人の"なんでやねん"にも色んなバリエーションがあって優しさが感じるもんもあるし、怒りが明らかに現れてるやつもあってぼくみたいな関西人でもなくて都会の人間でもないヤツはそこの想いだけを考えてしまう。

酔っていてどこまで話を追えているか分からない。池脇さんに感じる強さとそれになんとなく従ってしまう妻夫木さんの弱さ。どこまで従っていけばいいのか。自分の意思をどこまで出せばいいのか。



自閉症の男の子のドラマを観ている。その子は自分の思ったことをそのまま全部出している。(役どころの)。でもこの映画で、自分を、全て出していたら2人の関係は破綻していたと思う。

優しさと自分を保つための強さ。そして欲望。3つの要素の中で揺れ動いて、酔ってる頭がフラフラする。


酔っ払いのレビューよりDVDのコメンタリーが素晴らしいから観て欲しいんだ。ゆったりしてるからTSUTAYAプレミアムの相性がいいんだ。

今泉監督オススメ2作目にして大ヒットです。ありがとうございます。
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