スギノイチ

ど根性物語 銭(ぜに)の踊りのスギノイチのレビュー・感想・評価

3.0
市川崑のモダンでスタイリッシュな世界に勝新が迷い込んできました、というような珍妙さが面白い。
定食屋から世界を股にかける殺し屋一味へ繫がっていくのだから凄い。
勝新を拾った殺し屋達は日活ノワールに近い雰囲気で、殺害計画も「旋盤を一瞬で凝固させる程の接着剤で列車を転倒させる」というような荒唐無稽なものばかり。
そんな殺し屋達もまた、上の巨悪から逃れたいが故に非道に走り、1人ヒューマニズムを爆発させる勝新とぶつかるというプロットは勝新映画には珍しい設定だなと思っていただが、『ど根性一代』『ど根性物語』と連続して鑑賞すると、そこには1作目から通底するテーマがあり、決して突飛なものでないことに気付かされる。
スギノイチ

スギノイチ