このレビューはネタバレを含みます
お互いに強く惹かれあった男女が、一度は別離したものの、10年越しで恋を叶えるという、お話自体は王道のラブストーリー。ヨーロッパの古き良き街並みを背景に、鉄道での往来や公衆電話・手紙をつかったやりとりなど、デジタル化が進んで馴染みがなかった今の時代に観るからか、ノスタルジックかつある意味幻想的に見えました。
とはいえ、順生とあおいの心のすれ違いさながらに、両者がすれ違い続けるフィレンツェやミラノといったイタリアのノスタルジックな街並みが美しく、観るものをぐいっと物語に引き込んでいてくれます。ある意味で、順生とあおいに次ぐ3番目の主役と言ってもいいかもしれません。二人の恋路をそっと無言で見守り続けてくれているような。