EDDIE

X-MEN:ファースト・ジェネレーションのEDDIEのレビュー・感想・評価

4.7
X-MENはじまりの物語。ブライアン・シンガー監督のシリーズ三部作、ウルヴァリン誕生の物語を描いた「X-MEN ZERO」に続く5作目は最高傑作です!

本当にここまで長かったですよ。割と私のレビュースコアって高めであまちゃんなんですけどね、X-MEN三部作が何だか物足りなかったのですよ。前作のウルヴァリン が良かったのですが、遂に期待を超えてきたなと。

ただ丁度本作から監督がマシュー・ボーンにバトンタッチしてるんですよね。これが吉と出たか、しかしまた以降の作品でブライアン・シンガー監督に戻ってるんですけどね。あ、シンガー監督が嫌いなわけではないので悪しからず。本作が良かったという話です。

で、物語はX-MEN結成前の話で、プロフェッサーXとかマグニートーって名前もまだありません(本作途中で命名されます)。
チャールズ・エグゼビアとエリック・レーンシャーが親友のように仲がいいんですね。彼らは同じく恵まれた能力を持つ者同士として理解し合い、行動を共にします。
そんな中で出会ったのが後のミスティークとなるレイブン・ダークホルムです。このレイブンをジェニファー・ローレンスが演じるんですが、本当に魅力的な女優です。私が彼女を意識して本当に美しい女優だなと思ったのが「パッセンジャー」の時。「パッセンジャー」が2017年公開なので、そこからわずか6年前の作品なのに、まだあどけなさが残る少女のようで、女性の成長の仕方って凄いなと感じた次第です。
話は逸れましたが、まだまだミュータントが世間的にも認知が低い時代の話なので、レイブンは自分の存在に自信が持てないんですね。そんな中、自分を認めてくれたのがチャールズでした。物語が進むにつれて、ハンクに惹かれ、最終的にはエリックについていく心の変化を上手く描いていました。
様々なミュータントが出てくるにも関わらず、各々の魅力を引き出し、それぞれに見せ場を作るあたりが素晴らしかったですね。
チャールズとエリックが各地のミュータントを探して勧誘していく場面があったんですが、そこでローガンも出演。おととい来やがれとばかりに追い返してましたが、ここで彼ら同士が接触したのはファンとしては嬉しい演出でしたね。

本作は人間ドラマとしても完成されており、スーパーパワーを操るヒーロー映画としてだけでなく、きちんと脚本・構成がしっかりとした映画として楽しめた点が大きな加点ポイントです。
チャールズ、エリック、レイブン、ハンクを中心に、各キャラクターの葛藤を描いていました。
まぁこれまでの作品に一貫性がないせいで、物語に矛盾生じたりもしてますが(最たるものがエマの年齢がおかしい点)。

とはいえ、キャストには大満足ですね。おそらく今やチャールズ役としてお馴染みのジェームズ・マカボイ(私は本作で初めてマカボイチャールズを観ました)。あ、でも「デッドプール」にも出てたか。近年の「スプリット」「ミスター・ガラス」のケビン役が凄まじかったので、本作でその恐ろしいまでの演技力は堪能できませんが、争いを好まない真っ直ぐなチャールズをしっかりと演じていました。
エリックを演じたのがマイケル・ファスベンダーってのも絶妙ですよね。彼も登場時は決して悪ではないのですが、物語が進むにつれて人間に対する嫌悪感を表しながら、最後には見事マグニートーに成りきっていましたね。チャールズに誤爆したシーンも、信頼関係のない他者には容赦なく攻撃しつつも、やはりチャールズには歩み寄り、だけど引くことができない自分を良く演じていましたね。素晴らしかったです。

本作悪の親玉セバスチャン・ショウがケビン・ベーコンってのもアガらないわけがありません。めちゃくちゃ似合ってたなー。容赦ない攻撃や途中までエリックを赤子扱いする強さを見せつけられる場面なんて、ベーコンだからこそ納得感がありましたもん。
ほかにもモイラを演じたローズ・バーン、エマ・フロストを演じたジャニュアリー・ジョーンズもそれぞれ魅力的でした。

個人的には本作の主役はマグニートーだったと感じています。元々彼の野望は正義感から来るものだったんですよね。それでもちょっとしたボタンのかけ違いで、本当はわかり合いたいけど譲れない部分があるとして、チャールズと仲違いするわけですが、こんなこと現実でもあったりするんじゃないかなーと想像してしまいました。
とにかく人間ドラマとしても、アクション映画としても最高級に楽しませてもらいました!

次は一旦「ウルヴァリン:SAMURAI」ですかね。前作「〜ZERO」のラストでは日本のバーカウンターで飲んでいましたね。日本が舞台でしょうか。楽しみです。
EDDIE

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