トノモトショウ

美しき諍い女(いさかいめ)のトノモトショウのレビュー・感想・評価

4.0
描画を丁寧に切り取ることで濃密な時間が流れる。ペン先と紙、絵筆とキャンバスの擦れる音だけが空間を支配しているのに、画家とモデルそれぞれがのめり込んでいく。一枚の「完成された絵」のために、主体と客体の関係性すら曖昧になっていく。構成や人物相関に特別なものはないのに、よく計算されていて、物語に緊張感がある。全編通してほぼ裸のままのエマニュエル・べアールがとにかく美しい。