美しき諍い女(いさかいめ)の作品情報・感想・評価

「美しき諍い女(いさかいめ)」に投稿された感想・評価

babylon

babylonの感想・評価

3.2
1つの絵が完成するまでを淡々と描いている。

キャンバスに絵が描かれていく様子を長回しして見せる所、乗り気でなかったマリアンヌが次第にフレンホーフェルが絵を続けるようを迫っていく様子は面白い。

フレンホーフェルとリズ、マリアンヌともにすっきりした表情だった理由はわからない
lag

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3.5
ざっくり言えば、画家の工程、かな。4時間の、ヌードは陰部ぼかしのやつを鑑賞。長尺ではあったが、一度でも絵を描いたことがある人なら描いているときのあの感じは楽しめるはず。あと、紙と筆が触れ合うあの音、ゾクゾクする。ひたすら描いているわけではない。

言語化できない。できないものだが。
他のフィルモグラフィと比べるとリヴェットならこういう作品を撮ってもおかしくないと納得できるけど、最初見たときはこんな作品がよく作られてしかも評価を得たものだと驚いた。

人間の動かし方は良くも悪くもいつものリヴェットって感じで安定した演出が感じられたのだけど、この作品の肝といえばやはり絵画制作の行程で、エマニュエル・べアールとポーズを探ってミシェル・ピコリが絵を描く姿をじっくり描写しており、その為に4時間以上の長尺になったわけだけど作業行程だけでもしっかり見応えがあったが、それ故に完成品が披露されなかったのが残念に思えた。

ところでこの作品では役者の動作の反復カットがちょくちょく見られるのだけど、動作の連続性を無視したせいで逆に印象的になったそれはさながらリアルじゃない為に記憶に残る印象派の絵画のようで、その演出は中々に面白かった。

それにしてもエマニュエル・べアールは裸体ばかり映ってるからそれが途中から普通に思えてくるのだけど、やはり裸体画ばかり描いていた画家も同じような感覚を味わったのだろうか。
4時間近い長尺だが退屈せず見れた。必然性のある長さなのだろう。絵を描くシーンをたっぷり見せるのだが、とにかく音が素晴らしい。硬い筆先が画布を削るような音や刷毛がこすれる音など、目だけでなく耳でも作品が生まれる過程を描いている。他にも、虫の声や木の葉のざわめき、足音、衣擦れなど、音楽の代わりに様々な音があふれている。照明もいい。
otom

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4.3
芸術が爆発しちゃった訳だが、最後は数字で締められると云う。じわじわと上書きされるシーンはゾクっと来た。この監督の作品の中では一番好きかもしれない。良作。
マリアンヌの真実をキャンバスに刻みこむ音が響く。長い時間をかけて丁寧に追って行く。映画には時間が刻まれる。
人非人

人非人の感想・評価

3.0
完成した絵が体のラインを強調したぼんやりとした作風で好みでなかったが、ヌードモデル見ながら絵を描く過程自体は面白かった。画家の視点も含め。お前あの美人をモデルにして描いた絵がそれかよと、ツッコミつつ見た。
Matsuzoh

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2.1
作品から遠ざかっていた老画家と、巻き込まれるようにモデルをすることになった若き女性
製作の過程をじっくり見せつつ、それぞれのパートナーもからんでの人間ドラマ

しかし4時間弱が長い

全編ほぼずっとヌードシーンというのが公開当初も話題で、その通りなんですが

長い映画はプロセスを楽しめればいいんだけど、絵を描くプロセスが長くて、そこが楽しめなかったなあ・・・

そこが楽しめる人なら評価は変わってくるのでしょう

画家がエキセントリックで情熱的なことをいろいろ言うんだけど、それが絵で感じさせてほしいのに、それをプロセスでは感じられず、最終的な作品はどうかというと・・・あ、そうくるのね、という拍子抜け感
残念でした

関係性の変化はいろいろ面白い所もあったので、絵を描くプロセスはキュッとまとめて、そちらに絞ってもらえたら満足できたかも
2時間版もあるのでそっちが観れたら、そうだったのかも
Tomuzak

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3.8
画家がどんな絵を描いたかではなく、
どういう風に描いたかを楽しむ映画。
長く作品を世に出していない画家が、前回描こうとした時は完成させることが出来なかった『諍い女』。
モデルとなる女性が変わり、何でもいいから描くんだとスケッチを始める。
一つ線を描く毎に、内に閉じ込めていたものを解放する様に、何枚も描いていく。
描いた絵が増える度に、モデルの女性マリアンヌと会話をする度に、イメージに近づき、情熱的で自然と線や色がキャンバスにのっていく様だった。
ペンや筆が紙・キャンバスの上をなでる音が心地良く、
一つの作品が出来るまでの心の動き方を楽しめた素敵な映画だった。
中庭

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4.5
夜明けまでベッドに戻らなかった夫を案じ、嫌な予感をも覚え始めている妻リズがアトリエに入り、完成間近の絵を目の当たりにして不安を確信に変えた瞬間、フレンホーフェルはうめき声をあげて覚醒しかける。起きぬけの彼と対面するのを拒むようにして立ち去るリズは、点けっぱなしの照明器具を律儀に落として自然光の空間を構築した後、朝の弱光を背にシルエットと化し、アトリエをいささか乱暴に退室する。
完成を記念した小さな祝賀会では、画家を取り巻く数人の関係性の推移が、それぞれの二人きりの対話が重ねられることによって空間的に表現される。様々な成り行きを見守った最後、まがいものの絵を「最初の遺作」として発表したフレンホーフェルとようやく視線を交わしたマリアンヌが何か大事なことを言いかけると思いきや、画家の後ろに待機する画商を見やり、ついに口をつぐんだままその場を去ってフレームアウトしてしまう。
庭園、アトリエ、寝室、剥製工房という狭い空間を簡素な蟻の巣状に配して主な舞台に据えた本作。画家と女による崇高かつ突発性に満ちた甘美なやり取りに比べて際立つのが、登場人物たちの歩行と所作のリズム、カメラワークの的確さだったように思う。
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