あろうれ

友だちのうちはどこ?のあろうれのレビュー・感想・評価

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)
3.9
俺も子供だった時期があるから大人が話を全く聞いてくれない分からず屋なのはよーく分かるぜアハマッド
お兄ちゃんと一緒にネマツァドのうちを探そうな😭

子供の頃は学校と家が世界そのもので、話を聞いてくれない大人たちに対して子供たちは不思議なネットワークをもってして存在していた気がする。それでも以外と、仲の良かった友達のうちの住所を知らなかったりする。

この映画を観ていると自分がまるでアハマッドとネマツァド、そしてもう1人の友達、といった具合に映画内の子どもと同じ立場であるような気がしてくる。そうすると映画内の大人たちは全然話を聞いてくれなくて段々と嫌気がさす。それでもネマツァドのうちは見つからず、パンも買えていないのに日も暮れそうで焦りと不安が募って仕方ない。結局、分からず屋な大人達に振り回された挙句ノートを届けられなかったアハマッドと俺はとぼとぼ家に帰っていく。当然食欲も湧かず途方に暮れているが仕方ない宿題はしなければならない、寝ずに宿題をしているとオカンがご飯を持ってきてくれた。

と、ここで大人の視点に立ち戻される。オカンもやはり俺達と同じでアハマッドが心配でならなかったんだろうなあ。

特にドラスティックな何かが起こるわけでは無いけれどイランの市井の人々の人生の一端に触れられる作品。誰しもが持つ子どもの頃の記憶を閉じ込めたようないい映画。
というか押し花のような?