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映画ドラえもん のび太の恐竜2006のぐりのレビュー・感想・評価

3.9
映画ドラえもんシリーズ26作目!記念すべき第2期声優陣の1作目でもありますね!私の知るドラえもんたちの声、懐かしすぎるOP曲「ハグしちゃお」、見覚えのあるドラえもんのロゴ、そしてのび太の部屋…!!第1期から大きくリニューアルされていますが、自分にとっては馴染み深い要素ばかりで冒頭から既に大興奮でした(笑)

今作は映画ドラえもん1作目「のび太の恐竜」のリメイク作品でもあり、作画やカメラワーク、演出等のクオリティが格段に進化していました!特に良かったのは、まず光の差し方。ピー助の誕生シーンでは夜明けと共に朝日が昇り、生命の誕生を幻想的に魅せていました。あえての逆光も良かったですね。次に、コミカルに可愛く描かれるキャラクターたち!愛嬌たっぷりに描かれるピー助に癒されつつ、ドラえもんの顔芸には笑いっぱなしでした。噂に聞いていた伝説の"あたたかい目"を見れて嬉しかったです。夕日に照らされる"あたたかい目"はちょっとキモかったけど(笑)シーンとしては、ジャイアンが恐竜に魚肉ソーセージをあげるシーンが面白かった!魚肉ソーセージがジャイアンの腕ごと食べられたかのように見せかけて、青くなっているスネ夫に「なんちって」とピースするジャイアン最高でした😂また、今作は若干コンプラを意識しているように感じました(笑)例えば、着せ替えカメラで水着に着替えるシーンでは、ジャイアンとしずかちゃんの水着が逆という面白ハプニングを後ろから映していたり、入浴シーンではしずかちゃんだけでなくスネ夫とジャイアンも、かつ顔のみで映されていたり…時代の流れを感じましたね😌それはさておき、冒険の道中の描き方も良かった!総集編のようにまとめることでテンポ良く冒険を感じられ、道中で出会う恐竜たちにはワクワクしました!恐竜好きな子はたまらんだろうな〜☺️また、道中で繰り広げられる恐竜ハンターとの緊迫感溢れる追いかけっこにはハラハラさせられっぱなしでした😮‍💨

ただ、ラストが少し残念だった。まず、ドラえもんのポケットに入って脱出するのはちょっと無理矢理な気がした。また、ひみつ道具が全部流されてしまったのになぜか元通りの大きさに戻っているピー助、簡単に見つかる座標、なぜか直されているタイムマシン、なぜか開いている時空間の入口など、違和感を感じる部分が多かったです。タイムパトロールが来るのが遅くてあんまり役に立たなかったのも気になりました。タイムマシンはタイムパトロールが直してくれたのかな🫠まァ、最後のび太がピー助と笑顔で別れることができたので、オールオッケーとしましょう。

最後に、私が今作で最も印象に残ったシーン、恐竜ハンターに(のび太たちを日本まで送る代わりに、ピー助を引き渡せという)取引を提案され、夜にみんなで話し合うシーンについて触れて終わりにします。このシーンで、唯一スネ夫だけが恐竜ハンターの提案を受け入れようと考えていました。最終的にはスネ夫がみんなに説得され、提案を受け入れない結論に至りますが、私はこのシーンで、スネ夫の存在意義を教えてもらったような気がしました。恐竜ハンターの提案を受け入れるということは、のび太が大切に育てたピー助を渡してしまうということ。その選択が無情であることはスネ夫もわかっていたと思います。ただ、スネ夫はちゃんと"考えて"発言していました。のび太たちの取ろうとしている選択は、"無茶"で"できるわけがない"選択でした。スネ夫はその"根拠のなさ"が怖かったのかもしれません。でも、そりゃそうですよね。みんながみんな、のび太のように人情だけで行動できるわけではありませんから。良くも悪くものび太たちは、現実的なことをそんなに"考えていない"んですよ。ただ、「ドラえもん」という作品において描かれるのは、"きっとを信じる心"なんですよね。「ドラえもん」では、その心さえあれば"なんでもできる"んです。それが「ドラえもん」の良さであり、夢や希望を与える国民的アニメとして子供から愛される理由でもあります。しかし、そんな夢や希望を与える「ドラえもん」の中で、"きっとを信じきれない人がいる"ということ。これこそが、作品の大きなアクセントになっていると感じました。あの場でスネ夫が1度現実(なんでもできるとは限らないこと)を見せたことで、それでも…!と、彼らの"信じる心"をより強固なものにさせたと思います。また、どうしても信じきれないスネ夫に対し、仲間割れさせまいと、スネ夫を説得させ、一緒に"信じる心"を持たせてあげようと立ち上がったジャイアンは、本当に心強かった。そして、最終的にみんなの選択を受け入れ、ピー助に素直に謝ったスネ夫は本当に偉かった。めちゃくちゃ偉かった(涙)"僕たちにできないことなんてない"。それはいつか終わりがくる。でも、せめて子供のうちだけは、それを知らないままでもいいんじゃないかな、スネ夫。だから、またみんなと一緒に冒険しようね。そんなことを考える名シーンでした。加えて、これはあとから思ったことですが、スネ夫はなんだかんだ言って"なんでもできると信じている彼ら"が純粋に好きなのかもしれませんね。そう考えると「ドラえもん」は、個性の違う人たちが集まることの楽しさを教えてくれているのかも!私は自分と似た性格の人と仲良くしがちだけど、これからはスネ夫のように、自分とは違う考えや性格の人とも関わっていきたいなと思いました🫶🏻

ジャイアン「スネ夫、お前だけでも送ってもらえばよかったな(ナチュラル煽り)」
スネ夫「うーん…いや、最後まで僕らの力で頑張ろうよ、みんな仲間じゃない」

スネ夫、最高だぜ!心の友よ!


PS
スネ夫の伝説の台詞「抄本にしよ」がなくなってて泣いた

〇映画ドラえもんあるある
ドラえもん、ポケットの整理整頓ができていない
〇スネ夫の迷言シリーズ
自らを犠牲にしてティラノサウルスをおびき寄せるのび太たちの姿に感動…あ、スネ夫も泣きながら飛び出して偉いね…と思っていたらまさかの「食べるならジャイアン〜🎶食べるならジャイアン〜🎶」←大好き
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