ゴン吉

必殺!5 黄金の血のゴン吉のレビュー・感想・評価

必殺!5 黄金の血(1991年製作の映画)
4.0
江戸を舞台に金で人の恨みを晴らす仕事人の活躍を描いたTV時代劇「必殺シリーズ」の劇場版第五弾。  
舛田利雄が監督を務め、藤田まことが主演、酒井法子がヒロインを演じ、三田村邦彦、村上弘明、光本幸子、次山本陽一、大沢樹生、菅井きん、白木万理、麻丘めぐみ、名取裕子、山本陽子、岸部一徳、天本英世らが共演。

佐渡から金を運んでいた御用船が沈んだという噂が流れ、金の価格が急騰する。しかし実際には御用船は無宿人たちに襲われて運んでいた金を奪われていたのだ。そんな折、南町奉行所同心の中村主水(藤田まこと)ら裏稼業の仕事人に、ご同業の元締・鎌イタチのおむら(名取裕子)から仕事の助っ人の誘いが来る。依頼内容は、御用船で生き残った無宿人を始末して欲しいとのこと。依頼料は締めて二十両で、一人頭二両になる。主水は引き受けたかったが仲間が断ったため渋々手を退く…. 

主水の裏稼業仲間の政(村上弘明)の切ない恋の物語。
当時の人気アイドルのりピーこと酒井法子がヒロインを演じ、華を添える一方で難しい役柄ゆえに演技力不足は否めない。
仕事人は八丁堀の主水以下、打物屋の政、錺り職の秀(三田村邦彦)、お面売りのお歌(光本幸子)、時計師の夢次(山本陽一)らレギュラーメンバーに加え、鎌イタチのおむらが仕切る蟹の腕助(安岡力也)、千吉(保阪尚希)、金平(佐藤蛾次郎)、仁王のお松(キューティー鈴木)、阿修羅のお種(尾崎魔弓)やフリーの仕事人・蝶々の朝吉(大沢樹生)らが加わり、様々な殺し技を披露する。
天本英世演じる死神博士のイメージのまんまの赤目が率いる佐渡金山の地獄組とコウモリがスト-リーを盛り上げる。
コウモリは特撮が特異な桝田監督ならではのおもちゃを使っての操演が味わい深い。
オカルト的な要素も交えながらも血飛沫が飛んだりコウモリに食いちぎられるなど少しグロめのシーンもある。
クライマックスではお決まりのパラパ~ン♪で始まるBGMで盛り上がる。
足を洗ったはずの政がまさかの… 
「ありがとよ いい潮時かも知れないな」
ラストは八丁堀の主水が決めてくれる。
「俺はクズだが あんた方はサナダムシだ 人にたかって食い潰す 薄汚ねえサナダムシだ!」 
主水が裏の仕事で得たへそくりをこっそり隠すところを、奥さん(白木万理)と義母(菅井きん)が寝たふりをして隠し場所をチェックする様が微笑ましい。
最後は下心を抱えて鼻の下を伸ばした主水が、名取裕子演じる鎌イタチのおむらを口説こうとするのが笑いを誘う。
「男も女も死んじまったらおしめえよ」 

2024.5 BS日テレで鑑賞
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