イロカワ

ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたりのイロカワのレビュー・感想・評価

4.7
 めちゃくちゃ良く出来た傑作。ラヴクラフト原作のイカれた科学者を描く。
 まずこの映画は主人公のダンが凄くいい。彼が冒頭、患者を蘇生させようとして失敗するシーンがあるのだが、彼は諦めることができていない。死んだと分かった後も、処置を続けて怒られてしまう。当然だ。彼はまだ医学生なのだから。この映画の主軸は、人間の死を受け止めきれない医者の卵の主人公が、どのようにそれを克服出来るのか、ということだ。
 そんな彼の前に天才科学者の卵であるハーバート・ウェストが現れる。彼は死者を復活させる方法を研究しているマッドサイエンティストであり、頭のネジが外れている。死を受け止めきれないダンは彼女の静止も無視して、ウエストの研究を手伝い始める.彼らの間には次第に友情のようなものが生まれてくる。
 この映画はこの友情の描き方が素晴らしい。一種の青春映画になっている。ダンもウエストもまだ未熟で、いろいろな部分で詰めが甘い。失敗も多いが、お互いの欠点をカバーし合う姿は結構良かった。
 ダンの成長の結果があのラストなのは、正直かなりバットエンドだった。
イロカワ

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