ShigeakiMiyano

アンドロメダ…のShigeakiMiyanoのレビュー・感想・評価

アンドロメダ…(1971年製作の映画)
3.5
故M•クライトン氏の数多い著書の中でも
人気の高い「アンドロメダ病原体」の
映像化作品です
70年代に製作されたSF映画って傑作
揃いなのですが特に優れた部類です

地球に落下した人工衛星、それが原因か
近くの村が壊滅する事態が発生する!
砂埃舞う寒村に突如現れる防護服の一団
異様な雰囲気のオープニングで始まる
今作品は当時の最先端科学を垣間見られ
非常に興味深いです、それは原作者の
クライトンの綿密なリサーチの賜物です

一瞬にして人命を奪う謎の正体に迫るべく
各方面の専門家が非常召集され荒野の
地下深くに建設された隔離施設で過酷な
闘いを挑みます
今の技術を知っているとチープな印象を
受けるかも?ですが、様々な実験装置を
駆使して核心へ迫る過程は見応え充分
落下した人工衛星を多角的に精査する
プロセスは地味ながらもドキドキします
登場する研究施設や実験装置、段階的な
防汚のプロセスなどはじつに興味深く
現在でも通用しそうなリアルっぷりです

緊迫感に溢れる近未来SFを見事に
映像化したのは…「ウエストサイド物語」
「サウンドオブミュージック」と映画史に
名を残すミュージカルを監督した巨匠
R•ワイズです

姿を見せぬ虐殺者の正体、壊滅した村に
残されら生存者の謎… たった五日間の
出来事を描いているのですが休み無く
対峙し続ける研究者たちは次第に疲弊し
単純なミスが起きてしまいます
しかし完璧な防御システムを有する施設
は多くの職員を残し施設を閉鎖し最終
除染プログラムを発動させてしまいます
それは地下施設を核爆弾で根本的に除染
させる事だったのです

それまではゆったりと進んでいた時の流れ
が一気に加速する展開は見事ですね
誤作動した自爆システムを止めるため
操作パネルがある深層部を目指す主人公
その行手を阻むのが “ 対物レーザー光線 ”
本作公開よりも前に大ヒットした007の
「ゴールドフィンガー」の劇中でボンドを
苦しめたレーザー光線が印象的だったので
今回も絶体絶命な状況がすんなりと把握
出来たのだと思います

30年後にリメークされたTVドラマ版は
製作にR•スコットが関わっていて話題に
なりましたが今作を超えるクオリティには
達していなかったですね。
ShigeakiMiyano

ShigeakiMiyano