そう

竜馬暗殺のそうのネタバレレビュー・内容・結末

竜馬暗殺(1974年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

三人の道化と一人の痴女。

白黒であればこそ表現し得た質感に浸る。

やはり昭和の俳優でなければこの時代の男女は描けない。

逆に平成・令和の優男には平安が似合うか?

男優も女優もダイナミック。男はケダモノのように這いずり回り、やたらと昂ぶる。しかし一方で女に弱く、色欲の前では理想さえ歪む。その体躯と大声で女を笑わせ、良い気持ちにさせる。

女は妖しく芯が強い。男に愛を叩きつけ、弄び支配する。しかしいざという時全てを悟り、動じない。

方言が飛び交う幕末の会話はこの時代の多様性を今に伝えてくれる。きっとこんなふうに話していたんだろう。お国が違えば全く通じないなんて普通だったろう。

石橋蓮司は昔も今もコミカルで素敵だ。原田芳雄は体躯で演じている。この二人だけでずっと見ていられる名優。

竜馬と中岡がお互いに命を狙い合っていたという前置きから、二人が同じ場所であっけなく斬られてしまった理由に至るまでしっかり見せてくれる。確かに隙あらば殺そうとしてる奴と刀差したまま横座れないよな笑

右太の方にも孤独はあって、今でいうコミュ障、人嫌い。ただ心を許す人には全面的におっぴろげる。今も昔も若者の姿は変わっていない。

温い女に会いたい。
そう

そう