三四郎

夫婦の三四郎のレビュー・感想・評価

夫婦(1953年製作の映画)
3.8
見始めてすぐに尾崎紅葉の『多情多恨』が元ネタの映画かしらと思った。
妻に先立たれた男が亡妻のことを忘れられずにいる。しかし、友人の奥さんと知り合ってから、亡妻が自分に対してしていたことは、妻として当然のことばかりで、実は自分が思うほど素晴らしい女房でもなかったのだということ。友人の奥さんの方が、なんとも素晴らしい!と思い至り、憧れにも似て惹かれていく…!という。
この映画と『多情多恨』は、設定が少しずつ違うが、やはり似ている。髪ボサボサで、着るものに注意を払わない三國連太郎は、『多情多恨』の主人公によく似ている。
クリスマスの夜、上原謙の奥さん(杉葉子)と食事し、家に帰ってから、「私布団を敷きますわ」と言う奥さんに「いやいいですよ」と言いつつ、思わず手を取ってしまい「奥さん…!」とい言うシーン、なかなかどうして良かったなぁ!
杉葉子は『青い山脈』のイメージが強すぎて、なんとなく青春映画のヒロインとしか思っていなかったが、この『夫婦』の奥さん役が非常に似合っているし、演技も実に自然で上手い気がする。
やはり成瀬巳喜男監督の評価の高くない作品の方が、私は好きだなぁ笑

「ジングルベル」が…この時代は日本語なのか!笑 面白い!
鳴らせ鳴らせ鈴鳴らせ!かぁ。初めて聴いた笑

岡田茉莉子が画面に登場すると、パッと雰囲気が明るくなる笑
三四郎

三四郎