ルトラハミング

東京公園のルトラハミングのレビュー・感想・評価

東京公園(2011年製作の映画)
5.0
俳優三浦春馬について

初鑑賞は上映当時映画館にて。
2020年7月のあの日以降、現実を受け止められない胸中で唯一観ることができた作品。
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バーテン姿、天体を望む姿、明るい公園の木洩れ陽と暗い民家の微かな採光を受ける姿…とにかく麗しい。来る者拒まず(拒めず)、優しい距離感でいてくれる彼はまるで映画タイトルの《公園》そのもの。
彼の戸惑うスネる悩む笑うの瑞々しい反応に、肯定され心ほぐれ、やっかいな訪問者も可愛らしく映る。

彼のカメラ越しの視線は100%彼の世界であると思うと気恥ずかしくて直視できない。女優さんは流石だ(しかもあれはアドリブ?!)嫉妬で狂いそうだ。それにしても、いちいちしっかり脇をしめてカメラを構える真面目クンが愛おしい。

終盤、消えたヒロを探し、狭い廊下を歩く。届きそうに近い背中と足音が私の心の瘡蓋を剥がす。その痛みは、私の中に彼が生きている証だ。

ラストの「居ろよ」が頂点。
メゾピアノの声に酔う。
三浦春馬、最高。

俺様系内弁慶的ナルシスト男子に翻弄されることを 悦びとしてきた女子の呪いを、解き放つほどの包容力を体現できる、日本で唯一の存在だ。

ルトラハミングさんの鑑賞した映画