ゴリラリラ

あゝひめゆりの塔のゴリラリラのレビュー・感想・評価

あゝひめゆりの塔(1968年製作の映画)
4.1
とにかく虚しく悲しい。
サイパン陥落が何を意味していたか?
知る由もなく普通の生活がその後一変していく。
そこには沖縄の明るいブルーはまったくなくて、すべてが鉛色の世界。
モノクロ画像が生々しく当時の臨場感に溢れていたけど、カラーで再現されていたら目を覆うレベルだったろうと思える。
あと少しだったのに…
無念である。

ひめゆりの塔に行かれた方はお分かりになるであろうが、夏でもそこにはもの凄い冷気を感じる。
自分自身がこれまで文字から感じできたイメージより、数倍も苦しさ辛さを実感できた。

この作品を観て、サユリストの方々が夢中になるのも無理はないなと思った。
それほどまでに美しく素晴らしい熱演である。