Jeffrey

生きる歓びのJeffreyのレビュー・感想・評価

生きる歓び(1960年製作の映画)
3.0
「生きる歓び」

冒頭、1920年代のローマ。ファシスト党が台頭し始めた頃。除隊、孤児、中間、街を彷徨う、黒シャツ党の党員募集、ビラ、アジト、印刷屋、かわいい娘。今、逞く生きる青年の姿が映される…本作は1961年度カンヌ国際映画祭ベストセレクションになり、「太陽がいっぱい」で世界的なヒットを成し遂げたルネ・クレマン監督とアラン・ドロンのコンビが改めてタックを組んだ政治恋愛コメディにして軽妙快活なドロンの魅力が爆発した秀作である。この度、BD化され購入して再鑑賞したが、面白い。

本作は冒頭から魅力的だ。雨降るローマの広場で傘をさした大勢の人々を空撮する。続いて、列車から降りてきた若い2人の青年とその他大勢の人々が流れ込む。12人の孤児が自由となる。そこから物語はオープニングクレジットが映されて愉快な音楽と共に可愛らしく展開していく。

さて、物語は孤児の2人が何も知らずに黒シャツ党に入り、仕事を請け負う。そして可愛い娘に恋をする…と簡単に説明するとこんな感じで、1920年代のローマってこんな感じに賑わっていたのだろうかと…いや、映画だからだろうけど。


いや〜ドロンがくっそハンサムでヤバイ…。綺麗な顔立ち、きれいな歯並び、鼻が高く目はホリがあり、こんなイケメンに生まれたかったと毎度思ってしまう彼を見ていると。全く体を掃除しようとしない言う老人を無理矢理お風呂に入れるシーンのドタバタ劇は面白いし、ドロン演じる青年が彼に面白いものを見せると言って屋根裏部屋から下に長いホースを垂らして(多分きっとアルコールだと思うが)飲み物を飲ませる。凱旋門が崩壊する場面の男女のやりとりや平和博覧会のシーンと爆発するラストのスピーディーな展開が愉快だ。

この映画の画期的な所はテロやゲリラなどが出てくるにも関わらず、シリアスにならない点だ。兎に角ユーモア全開で終わる。
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