こうやってすれ違っていたのかと思うと少しでも関わればよかったな、なんてちょっとした学生時代への後悔が生まれたり。あの子は今何をしているのだろう。センシティブでエモーショナル。
実話を元に、まるで日常の延長のような、切り取って貼っただけの淡々とした81分間。無理やりドラマを持たせようとするよりもよほどゾクっとする編集だった。映したり映さなかったりの塩梅、独特な効果音やこもったピアノの旋律、芸術作品のような色彩豊かで美しいものだったのもまた恐ろしさを助長させていたように思う。
誰もが幸せに暮らせる世界になってほしいと思う反面、それを本当につきつめると人間らしさがなくなるというか、ロボトミーというか…遺伝子的な操作が必要になってきそう。競争を無くして、全部統制。みんな同じ見た目、同じ性格、同じ思考回路…そうじゃないと無理だよなあなんて考えてしまう。ていうかそれって幸せなのか？そんなの人間でも、もはや動物でもないじゃないか。その前に自然の物理に背いたことにより地球上にも存在できなくなるんじゃないか、人間という種族は滅びてしまうのではないか。やっぱり誰かが幸せになるためには、不幸になる人がいないと成り立たない方程式なのか…って妄想。私の止まらないキモ妄想を完結させてくれるような映画、どこかにないかなあ。あるなら観たいなあ。
