おなかすいた

エレファントのおなかすいたのネタバレレビュー・内容・結末

エレファント(2003年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

映画についてのトークイベントに参加したときに途中まで観て、ずっと観たいと思っていたけど重そうでなかなか観られなかった。想像通りきつかった。

長時間、どこにでもありそうな日常の映像が流れていく。でも、これがありふれた一日ではなくなってしまうことをわたしは知りながら観ている。女の子たちが「あんたが車運転するなんて、何人人を殺すのよ」みたいな冗談を言い合って笑いあっているのだって、ビクッとしてしまった。彼女たちの会話と事件は一切関係がないことなのに、勝手に「死」と結び合わせてしまう。

イーライのスナップ写真も、これが後々「証拠」になるんだな、と思いながら観てしまう。写真を撮るという行為は連続した時間の中で一瞬を強調する作業であり、決して切り離せるわけではない。彼が撮った写真は大きな文脈で絡めとられてしまう。

ミシェルの映像が個人的にきつかった。聞こえよがしにださいと言われる女の子。短い体操服にしろと先生に言われても無視し続ける信念がありそうなのに、クラスメイトには蔑ろにされてしまう感じがきつかった。どうか生きててくれ、学校だけが全てじゃないから幸せになっておくれ、と願いながら観続けた。