『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』とか『小説家を見つけたら』みたいなガス・ヴァン・サント作品を期待すると面食らう、若者の虚無的な心情と殺戮願望を描いた佳作。
はっきり言ってダラダラした長回し撮影による学校生活を描いた前半は退屈極まりなく、欠伸が出そうだった。🥱
こういうルーズな撮り方が山下敦弘の『リンダ・リンダ・リンダ』や吉田大八の『桐島、部活やめるってよ』を想起させた。
中盤からネオナチで同性愛者の若者二人組が銃乱射に奔走する辺りから俄然面白くなり盛り上がる。が、やはり依然としてテンポは淡々としていており何も起きそうにない。ラストもいい加減だし。
夜空のショットとベートーヴェンの「エリーゼのために」が被さる構成が秀逸。
結局「何が起こるのかな?」と予想させておいて「何も起きなかった…」というやりきれなさと余韻の残る変な映画である。本作もまた【終わりなき日常】の終わりを描いた作品として、それなりの問題提起がある作品。現実のコロンバイン銃乱射事件も意外とこんな呆気ないモノなのだろう。
本作はミヒャエル・ハネケの『71フラグメンツ』(未見)という作品が下敷きにあるようだが、ガス・ヴァン・サントはどうも冷酷に徹しきれない弱点がある。本来ヒューマンな監督だから仕方ないかな〜。🤷♂️