みおこし

3人のエンジェルのみおこしのレビュー・感想・評価

3人のエンジェル(1995年製作の映画)
3.9
ドラッグクィーンコンテストで優勝したヴィーダとノグジーマは、惜しくも敗れて涙しているヒスパニック系出場者のチチを不憫に思い、優勝賞品のハリウッドへの旅行に連れて行くことに。彼らの珍道中をコミカルに描いた、1994年のオーストラリア映画『プリシラ』のリメイク版。

どこまでもカラフル!パワフル!そしてハッピー!と三拍子揃った痛快娯楽作。オリジナルの『プリシラ』の色彩表現や演出も好きだったのですが、個人的にはそれをさらにハリウッドテイストに中和させた本作の方がお気に入り。何より主役3人のドラッグクィーンのなりきりぶりが神がかっています...!
上品かつ高貴な印象のパトリック・スウェイジ演じるヴィーダ、派手好きで誰よりも現実主義のノグジーマを筋肉モリモリに演じたウェズリー・スナイプス、そしてまだ若いけれど逆にそこが魅力のウブで元気なチチ役のジョン・レグイザモ。正直3人とも女装とは無縁のイメージが強すぎて、冒頭のショーシーンから思わず開いた口が塞がらないくらいにはそのなりきりっぷりに圧倒されてしまいました。ウェズリーがいくらなんでも筋骨隆々過ぎますが!(笑)
でもちょっとした仕草やしゃべり方、3人とも本当に研究されたんだろうな...と普段の男らしい姿を改めて見ると、その努力に脱帽。
ロビン・ウィリアムズ、ナオミ・キャンベル、ストッカード・チャニング、クリス・ペン、ルポールなどなど、とにかくチョイ役なのに次から次へと豪華キャストのオンパレードだったのも楽しかった!人によってはほんの一瞬だけの登場の方もいらっしゃるのでお見逃しなく!

よそからやってきた一見偏見を持たれがちな人々が、保守的もしくは問題のある集団に革命を起こしていくという展開、個人的に話の流れとしてはツボなので(笑)『マグニフィセント・セブン』然り、『少林サッカー』然り、『天使にラブ・ソングを...』然り、ジャンルは違えどいつも高評価をつけがちなのですが、本作はまさにその極み。旅先で彼らが出会うとあるコミュニティをあっと驚く方法で、瞬く間に良い方向に導くエンジェルたちの姿には、本当に勇気付けられます。
「急だな!!」って思わずツッコミたくなるご都合主義的な展開もいくつかありつつも(笑)そんなことどうでもよくなるくらいには、エンジェルたちが最高!オネェの方々の格言や価値観は勉強になることがたくさんあるけれど、本作でもまさに目から鱗のステキなセリフがたくさん飛び出します。少しずつ彼ら(彼女たち?)から刺激を受けて変わっていく人々もみんな魅力的に描かれているのも好感が持てました。

ショーのシーンでも、移動中でも、3人が着ている衣装はどれも派手派手!だけど思わずマネしたくなるものばかり。ノグジーマが古着を発掘してテンションが最高潮になるシーンは思わず共感してしまいました(笑)。

ポップかつ心温まる作品がお好きな方は要チェック!最高のエネルギー補給になること間違いなしです。
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